鹿児島市皇徳寺台の歯医者 さとう歯科医院の院長 佐藤裕幸です
いつも当院のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。
さて、今回のテーマは・・・
生まれつき歯の色がグレーっぽいのですが・・・
というテーマです。
誰でも歯の色が真っ白いのに憧れますよね
でも、歯の色が黒ずんだり、黄ばんだり、グレーっぽかったりする人がいます。
テトラサイクリンによる歯牙の変色というものです。
今日はテトラサイクリン歯の原因などについてお話ししていきます。
テトラサイクリンによる歯の着色の主な原因は、
幼少期にテトラサイクリン系抗生物質を使用した際の歯の発育に影響を及ぼすことにあります。
主な原因は以下の通りです:
(1)エナメル質の形成への影響
テトラサイクリン系抗生物質は、幼児期に歯のエナメル質の形成に関与している
アミノグリコシド結合タンパク質と結合することがあります。これにより、
テトラサイクリンがエナメル質に取り込まれ、エナメル質の成長に障害を与える
可能性があります。
その結果、歯のエナメル質が変色し、黄色や茶色の着色が生じることがあります。
(2)幼児期の敏感期
歯の発育には敏感な期間があります。
特に胎児期から幼児期にかけての歯の発育段階でテトラサイクリンを摂取すると、
着色リスクが高まります。
歯の発育中は、テトラサイクリンが取り込まれやすく、
着色の影響を受けやすい時期です。
(3)抗生物質の種類と投与量
テトラサイクリン系抗生物質の中には、着色のリスクが高いものもあります。
また、長期間や高用量での投与も着色の程度を増加させる要因となります。
(4)個人差
抗生物質に対する個人差もあります。
同じテトラサイクリンを摂取しても、一部の人にのみ着色が見られることもあります。
着色された歯の色は個人差がありますが、一般的に黄色や茶色の斑点が見られます。
着色は永続的であり、通常の歯ブラシやホワイトニング剤では除去することが
難しい場合があります。
テトラサイクリンによる歯の着色は、歯の発育中にのみ影響を及ぼすため、
成人期には発生しません。
特に、乳歯、永久歯ともにエナメル質が形成される時期に
テトラサイクリン系の抗生物質を服用することはリスクがあります。
時期としては、妊娠後期から出生直後に、永久歯のエナメル質が形成されますので
この時期に摂取することは、大きなリスクを伴うことになります。
テトラサイクリンによる歯の着色を防ぐためには、次のような対策を取ることが重要です
(1)妊娠中や乳幼児期にはテトラサイクリン系抗生物質の使用を避ける。
(2)抗生物質の処方を受ける際に、医師に妊娠の可能性や乳幼児期の歯の発育について相談する。
(3)他の代替抗生物質を使用することを検討する。