しみるんですけど・・・ #3

こんにちは
鹿児島市皇徳寺台の歯医者『さとう歯科医院』の院長　佐藤です。
いつもHPをご覧いただき、ありがとうございます。

第３回目の投稿はこのテーマで・・・

しみるんですけど・・・

患者さんがよくおっしゃる言葉です

さあ、では、お口の中で『しみる』時って
どんなことが原因として考えられるでしょうか？

『しみる』と言っても
歯がしみるだけではありません。
歯ぐきやほっぺたなどの粘膜がしみるということもあり得ます。

今日は、歯がしみる時に絞ってお話ししてみましょう

歯がしみると言っても、いろんな原因があります

たとえば・・・

１.むし歯
２.知覚過敏
３歯磨き粉によって削られる楔状欠損
４.歯ぎしりによる咬耗（こうもう）
５.歯周病の進行
６.酸蝕症
７.その他

などなど・・・があります

では、それぞれについてお話ししていきましょう。

むし歯ができて、そのむし歯が象牙質という所まで進むと
冷たいものや甘いものがしみるようになります

これは、象牙質が象牙細管という非常に細い管で
神経と繋がっているために起こる症状です
エナメル質には感覚はありませんので
むし歯になってもそれがエナメル質にとどまっている時は全くしみません

ただし、象牙質にむし歯が進んだからといって
必ずしみるようになるわけでもないのです

だから、患者さんは、しみも痛みもないから
むし歯ではないだろうと自己判断してしまって
発見が遅れ、見つかった時にはかなり大きくなっている
ということも日常臨床の中では、よくあることです

ですから、日頃から定期検診やメンテナンスを受けて
ひどくならないうちに発見できるように対策しておくことが大切です。

最近、テレビCMなどでよく聞くようになった言葉です

知覚過敏とは、むし歯ではないが歯がしみる状態を言います。

原因は色々と考えられますが
よくあるのは、歯ぐきが退縮した（縮んだ）ために
根っこの部分が露出してしみるようになるものが多いです。

歯ぐきが退縮するのは、
（１）歯ブラシの圧が強すぎる
（２）歯ブラシの動かし過ぎ
（３）歯周病の進行による骨吸収
（４）歯並びが大きくズレている場合
が主な原因です。

本来、根っこの部分は骨の中に埋まり
その上を歯ぐきが保護するという具合に隠れていなければなりませんが
このような原因により、歯ぐきが退縮すると
根っこの部分が露出してきます。
すると冷たいお水などがしみることがよくあります。

ただし、むし歯ではないので甘いものがしみることはありません

日常臨床の中で、非常に多くみられるのがこれです

No1、No2でも書いたように
歯磨き粉でプラークが落ちるわけではないのですが
テレビのCMなどに騙されて
皆さん一生懸命歯磨き粉をつけて『ゴシゴシ』磨いています。

その結果、歯ぐきが退縮し、出てきた根っこの部分が
歯磨き粉の研磨剤でどんどん削り取られていきます
ひどい場合は、歯の神経に達するほど歯がなくなる場合も。

それで『歯がしみるんです』と訴えて来院される方が非常に多い。

これだけは本当に何とかしたいと感じています。

一生懸命、歯を大切にしたいという気持ちがあるからこそ
頑張って磨くのですが、如何せん方法が間違っているのと
宣伝文句が『いかにも歯磨き粉を使えばプラークが落ちる』かのように言うのです。

歯磨きで自分の良い歯をどんどんダメにする
そして、自然には戻ることのない状態になってしまう・・・

ぜひ皆さんは、宣伝に騙されず
歯磨き粉の使用をできるだけ控えていただきたいと思っています。

プラークを取り除く目的のブラッシング時には
『歯磨き粉なしで、優しく、小刻みに！！』

今日はここまでとして
残りはNo.4に書かせていただきますね