インプラントの手術中は痛いですか？手術後はどうですか？#20

皆さん、こんにちは。
鹿児島市皇徳寺台の歯医者　さとう歯科医院の院長　佐藤裕幸です。
いつも歯のコラムをお読みいただき、ありがとうございます。

さて、今日のテーマは・・・

インプラントの手術中は痛いですか？手術後はどうですか？
とても怖いのですが、大丈夫ですか？

というテーマです

インプラントという治療法が日本に入ってきてから
すでに40年くらいは経過しています。
私たちのような一般の開業医が当たり前のように
インプラントをするようになってからでも30年ほどは経過しています。

一般的には、ブリッジや義歯（入れ歯）で治される方が多いと思いますが
これらには一長一短があります。

たとえば、ブリッジの場合だと
違和感が少なく、割と何でも噛めるというのがメリット
でも、支えになる歯を大きく削らなければならないし
その支えになる歯への負担がかなり増加するというのがデメリット

入れ歯の場合は
ブリッジのように両側の歯を削る必要がないので
歯へのダメージがほとんどないのがメリット
でも、歯の周りにクラスプと呼ばれるバネがついたり
歯ぐきのようなものがついたりするので
いちいち取り外しをしなければならないのと
違和感が大きくなるのがデメリット

その両方のメリットを兼ね備えているのがインプラントです
なので、インプラントがベストに近い選択肢ということになります。

インプラントは非常に良い治療法ですが、
インプラントにも制約条件がいくつかあります。

1つ目は、保険が効かないので、費用がある程度高くかかる。
2つ目は、手術が必要となる
3つ目は、治療期間がブリッジ、入れ歯と比べると長くかかる

こんなところが、インプラントの制約条件です。

そこで、多くの患者さまが心配されるのが手術についてです。

入院が必要なのか？
手術時は痛くないのか？
手術後の痛みはどのくらいなのか？

そんなことを心配される方も多いと思います。
そこで、今回は手術時や手術後の痛みについて書きます。

基本的には、インプラントの手術は外来で行います。
入院の必要はありません。
手術の際は、通常の歯科治療で行う局所麻酔下で行いますので
手術中の痛みは、基本的には全くありません。

インプラントを埋め込む手術を行った術後の痛みですが
通常の術式にて行えた場合は、ほとんど痛みは出ません。
仮に痛みがあるとしても、簡単な抜歯後の痛みと同程度です

ただし、インプラントの術式によっては
手術後の痛みや腫れが出る場合もあります。

それは、どういう場合かというと
インプラントを埋入するアゴの骨が薄かったり、少なかったりして
そのままではインプラントを入れられないケースです。

このようなケースでは、人工の骨を使って
骨幅を増やすような術式（骨造成と言います）を行います。

この骨造成を行った場合だけは、
手術後にある程度の腫れと痛みが伴います。
が、大体１週間ほどで軽快し、元の状態に戻ります。

骨造成をする範囲が広くなればなるほど
手術後の痛みや腫れも大きくなりますが
通常の１〜２本程度の場合なら、
１週間ほどで大体良くなります。

通常のインプラントのオペは、上にも書いたように
お口の中だけの局所麻酔で行います。

が、怖がりでどうしても不安だという患者さんには

という方法もあります。

これは、軽い全身麻酔のようなもので
ほろ酔い気分のような状態になり、不安を取り去るものです。
こちらも入院は必要ありません。

当院ではこの静脈内鎮静法は行っておりませんが、
どうしてもという患者様には、大学病院等を紹介して
そちらで静脈内鎮静法を行いながらのオペをしてもらうことは可能です。

基本的には、それほど大変な思いをするということは
特殊なケースを除いて、ほぼありません。
入れ歯やブリッジに比べて、なんでも噛めて違和感もなく
残った自分の歯に負担をかけない非常に良い治療法ですので
歯を失った方、あるいは、すでに歯を失っている部位がある方は
ぜひ一度ご検討下さい。